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北山担。140字に収まり切らなかったことなど。

夢とちくわぶと8mmビデオカメラ

※こちらの記事は舞台「あんちゃん」のネタバレを多数含みます。ネタバレを避けたい方はお控え下さい。

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「24年だよ!!」

舞台「あんちゃん」で北山くん演じる凌が一番最初に発する言葉はこれだ。

まずはお詫び申し上げたい。初日にツイで流したこのレポは大きな間違いです。「はあ!?」は次に発する言葉でした。すみません☆

 

劇中では凌が6歳の少年時代から30歳になった2017年現在までの、一家の24年間が物語られている。普通に生きてたら関わるどころか知る由もなかったであろうこの5人の家族の24年間に、一体何人の人間が笑い悲しみ怒り、時には同情し、心配し、安心し、そして涙を流しただろう。

 

3人の子供はまだ小学生、これからの成長を見るのが本当に楽しみであり本当に大変であろう時期に膨大な借金を残し女と夜逃げして消えた父・国夫が24年ぶりに突然現れる。そんなシーンから物語は始まる。母親の瑛子は物腰柔らかに迎えているようだが、姉の冴、准は当然頭にきている様子。当然2人と同じように口も聞きたくないであろう末っ子の凌は最初こそムスッとしているが、その後国夫と2人きりで話すシーンではどこか嬉しそうに見える。口調も柔らかく、バイトを紹介したり悩みを少し打ち明けたり、誰にも話していない夢まで話す。しまいにはバイト先に連絡くれとまで言う。22年も会っていなかった人にそんなスラスラと話ができるものなのかな。しかも相手は自分達を捨てて蒸発した父親。突然帰ってきて謝罪の一言もないような人だ。ずっと疑問に思っていた。多分私は姉二人側だと思うから。

 

まだ国夫が家を出る前の一幕、楽しそうにゲームをしている凌に何やら楽しそうな様子の国夫と瑛子が話しかけるシーンがある。大事な話があると言われてもゲームに夢中の凌はあとでと言うが、その後の国夫の一言でコントローラーを置くのだ。

「もしかしたら、弟ができるかもしれないぞ!」

そう言った国夫は2017年現在の様子からは想像もできないくらいの満面の笑みで、心の底から嬉しそうだ。「お母さんから大事な話がある」と言ったのに自分で話してしまうくらいなんだから、相当嬉しかったんだろうな。嬉しかったんだろうし、凌の喜ぶ姿を見るのが心底楽しみだったんだろうなと思う。だってその姿を撮るためにわざわざカメラを回しているくらいだ。

対して瑛子は喋りはしないが表情はいつも以上に明るく、視線は国夫が持つカメラと凌を交互に行き来している。自分で身ごもった新しい命なんだからきっと私が切り出したいという気持ちもあっただろうが、国夫の言葉を黙って聞いているだけだ。大袈裟かもしれないけど一家の大黒柱である国夫をたててあげているようで、理想的な夫婦の姿だなと思った。まあもともと遠慮しいの自分のことは二の次三の次みたいな人だから、これにあまり深い意味はないのかもしれないけど。

それよりも、私はこの話を聞いた凌を「愛しい」以外の表現で表す方法を知らないくらいこの場面の凌が愛しくてたまらなくすきだ。このシーンは比較的冒頭のものなのだが、この後の約1時間45分の間に凌がこんな笑顔を見せることはもうない。無邪気でちょっと反抗的で、けれど愛に溢れた家族の中で過ごしている愛に溢れた子供の凌(演じているのはもうすぐ32歳になるおじさんです)の姿は、このシーンが最初で最後だ。

自分が「兄」になることを大層喜んだ凌に国夫がこう言う。

国夫「今日から凌のこと、あんちゃんって呼ぶか!」

凌「あんちゃん?」

国夫「お兄ちゃんって意味だよ」

凌「あんちゃん…」

国夫「そう、あんちゃん!」

瑛子「あんちゃん!」

凌「…あんちゃんか!」

初日この掛け合いを聞いた時すぐに「あっタイトル回収ここでくるのね〜」と思った私を殴りたい。この時点ではまだ回収のかの字もないのだ。いやかの字くらいはあるわ。「かい」くらいまでかな(?)

この後凌はほんっっっとうに嬉しそうに、もうそれはそれはピュアの極みみたいな笑顔で瑛子のお腹に耳を当てたり、手でキラキラ〜ってしたりする。それを笑顔で見つめる瑛子と笑顔でビデオカメラを回す国夫。その空間には間違いなく1ミリの汚れもない微笑ましい空気しかない。回を重ねるごとに凌の気持ちを考えるとつらくて、もっともっと長くこの時間が続けばいいのにと思っていた。

 

次のシーンではもう凌に笑顔はない。仮病で登校拒否し好きなゲームをしているはずなのにその表情は暗く、全く楽しくなさそうだ。なぜなら父親が蒸発したから。そしてそれは瑛子一人の力ではどうにもならないと思わせ、国夫に連絡を取ってくれることを期待しての行動だったと後に本人の口から明かされる。

まだ8歳の子供が小さな頭で精一杯考えた結果がこれだったのかと思うと、悲しいというかやりきれないというか、抱きしめてむぎゅーーってしたい気持ちになる(決して他意はない。)父ともう一度やり直してほしい、自分は寂しいと思っているのなら素直にそう伝えてしまうんじゃないかと思うが、このくらいの歳の子は多分私が思っている以上に繊細でもっともっといろんなことを考えているんだろうな。自分達3人が苦労しないよう昼も夜も身を削って働いて、それでも一切つらそうな素振りを見せない母親の強く逞しい姿を見てとても言い出せなかったのだろう。それでもやっぱり、瑛子のお腹に手を当ててとびっきりの笑顔でカメラを見つめていたあの頃に戻りたい気持ちは消せずにこの選択肢を選んだ。劇中に描かれてこそいないが、きっとその頃は二人の姉も同じように心から笑っていられたんだと思う。ただ国夫が家を出た後の反応がこうも違うのは、私の憶測ではあるけどやはり女性と男性だからという理由なんじゃないかな。同じ女性である母親の味方になり支えたい、家を捨てた父親は悪だと思う姉二人の気持ちは正直分かる。でも凌は男一人になってしまって冴、准の2倍3倍もしかしたらもっともっと寂しいと思ったのかもしれない。もちろん8歳の男の子がそこまで深く考えてるかは分からないけど、フィーリングというか同性にしか相談できないことや同性だから盛り上がれることがたくさんあることをなんとなく凌は分かっているんじゃないかな。

あとは単純に年齢差。大きくなれば大きくなるほど、良いものを肯定し悪いものを否定したくなる気持ちは強くなると思う。だから冴と准はあそこまで国夫を毛嫌いしているのかも。

 

それから凌はぱったりと笑顔を見せなくなり、畑中家に父親は"いない"まま物語は進んでいく。その中でもやはり父親がいた頃の記憶を忘れられない凌(強がりたい年頃なんだろうかそれを頑なに認めようとはしない)は、担任の芹沢に連れられて国夫の職場へ足を運ぶ。国夫が家を出て2年後の話だ。

そこで芹沢に勧められ二人はキャッチボールをする。これが凌にとって人生初のキャッチボールだった。ボールの持ち方も知らない凌は1から国夫に教わり、キャッチボールをしながら学校のことを話す。多分凌は「父親がいる」というこの素晴らしいくらい平凡な幸せを噛み締めていたんだと思う。

話は少し遡る。芹沢がこの日凌を国夫の所へ連れて行ったのは、学芸会でやる劇の主役を凌が務めることになり、それを観に来てほしいと伝えるためだった。役はみんなに嫌われいじめられる"ちくわぶ"の役。芹沢オリジナルの内容で、ちくわぶは凌をモチーフにしているんだと言う。まずここで一つ疑問なんだが、最終的には話は良い方向に向かうものの担任が自ら生徒本人に「いじめられる主人公は君がモチーフなんだ!」って………ひどすぎやろ……………

結局こんなのやりたくない、の一点張りだった凌だが、芹沢に「主役をやればお父さんに会えるかも」と言われ渋々これを承諾する。家に持ち帰って瑛子を含め3人で劇の練習をするのだが、とある台詞に行き詰まり凌はまたやりたくないと言い出すことになる。

「確かに僕には使い道がない」

これはあくまで劇の中のちくわぶの台詞だ。普通に捉えたら別になんてことない台詞だと思う。でもこの台詞が嫌で凌はまた塞ぎ込む。そりゃそうだ!!お前がモチーフだなんて言われてるんだから!!!なんて無責任な担任だ。りょーちゃんに代わって私が教育委員会に突き出してやりたい。

ちくわぶは最初いじめられるものの、最後はみんな丸く収まりみんなで世界一のおでんになるんだという(意味不明)。それを凌はキャッチボールしながら国夫にやんわりと伝える。国夫は「そうか?俺、ちくわぶ大好きだけどな。」と何気なく言ってみせるのだが、この言葉が凌の心に深く沁みたのは言うまでもないだろう。瑛子はもちろん、冴も准も当たりは強くても凌のこと嫌いなわけでは決してないが、どこかで肩身の狭い思いをしていたことは確か。なんとなく居場所を見つけられないでいた凌にとって、多分この言葉はすごく響いたと思う。

 

そして話はまた2017年、凌は国夫と二人でお酒を飲みに行く。突然現れてからまだ間もない頃だと思われるが、すでに凌が国夫にかなり好意的であることは言うまでもない。

そこで凌は「24年ぶりって言ったけどさ、本当は22年だよね。俺達は」と切り出す。他の3人は24年ぶりだけど自分はキャッチボールの件があるから22年ぶりだと。しかし国夫はあんまりピンときていないよう。凌が覚えてないの?と問うと、慌てた様子で覚えてるよと答えかなり軽い感じで「そういえばそんなこともあったな。じゃあ、22年ぶりの再会に乾杯」と乾杯を促す。その国夫の様子に凌はかなり不満そう。自分にとってはすごく大きな出来事だったのに、父親の中ではそのくらいの事だったのかといった感情だろうか。そのどこか悲しそうな表情を見るのがものすごくつらいんだよなぁ。。。

 

さて国夫は帰ってきて早々、凌の働いているダビング屋に8mmビデオのテープを24本持って行く。料金後払いで自腹切ってDVDにしてほしいとダビングを頼んだテープの中身は、自分が家を出て行ってからの子供達3人の姿だった。なんと国夫は家を出てからもこっそり子供達のことを撮りに来ていたらしい。これなんで???私の頭が悪すぎてわからないだけかもしれないけどマジで今でも疑問ですわ、、自分の意思で捨てた家族のビデオ撮りに行くってなかなか意味不明じゃない…?そりゃ捨てようが何しようが二人といない自分の子供なんだから見守りたい気持ちはわからなくもないけど、だったら最初から捨てなきゃよくない?自分で勝手に借金作って会社倒産したらそれを全部押し付けて出て行って、挙句定期的に子供の姿見に来るってどんなんよ…冷静に考えてただの最低野郎なのでは……?だから実を言うと私今もこのお父さんのことすんごい嫌いなんだよね……www正直和解っぽく話がまとまるのもあんま腑に落ちない…私だったら絶対絶対許さないし顔も見たくない…ほんと凌ちゃんどんだけ心広いんだろうって何度思ったことか……

凌はなんでかすごく楽しそうにこのDVDの中身を瑛子と姉2人に話すのだが、冴から返ってきた言葉は「キモいんだけど。だってそうでしょ?これ、盗撮よね?」……そりゃそうだろうよ!!?!?仰る通りですもん!!!アンタがこれを撮ってる時私らがどんな思いだったか!と当時のつらい心境を話し出す冴と准。

これに対して凌が反論するという驚きの展開。高校に行くのも諦めて住み込みで働き出した冴、塾にも行かず勉強を頑張って冴と二人暮らしをして大学へ通った准。それに対して煩わしかったんだろ!?母さんが出て行くなって言ってるのに出てくってどういうことだよ!!と凌。結局冴も准も家のためと言いながら自分のために早く家を出たにすぎない、母さんがやっていいって言ったことはやらずにやるなって言ったことはやるなんておかしいというのが凌の意見。これはね〜難しいよね〜〜。姉2人が本当に立派に育ってきたのは確かだけど凌の言うことも一理ある。でも30歳になって定職にも就かずに実家で親のすねかじりしてる凌には言われたくなかっただろうな〜〜。まあこの後凌もちゃんと自分のこと甘ちゃんって認めてるからなぁ。でもやっぱりお前にだけは言われたくねえ!!!って気持ちが勝つわ。。私は。。。

 

物語も佳境、国夫が子供達3人に自分のことを打ち明けるシーン。冴と准になぜ自分達を捨てたのか、借金が自分達に降りかかることは考えなかったのかと問い詰められるも「申し訳ない」しか言えない国夫。そして自分が逆行性健忘症であり、冴・准・凌の3人のことを忘れてしまっていることを告げた。

初日、正直そりゃねーわ………ここまできて全部忘れてるとか……都合良すぎるやろ………と私は思いました。なんと考えが浅かったことか…反省しております……(何に?)でもまあその後冴が全く同じようなこと言うんですよ。で、瑛子が「そう言われると思ったから、お父さんと相談して黙っておくことにしたの。」と。まあ確かにそうだよな…いきなり帰ってきて健忘症でおまえらのこと忘れてるけどもう一度やり直させてくれ!とは言いづらいわ。とは言えいずれバレることも分かってただろうに…

そして国夫は、4人は自分のことを忘れて生活していたのに自分の身勝手でこんなことをしてすまない、忘れてくれと言ってまた家を出ようとする。それを凌が「帰んなって!!思い出せよ。ちゃんと!俺達のことを!!思い出すまでここにいろって!!」と叫んで止めるのだが、この感動どこにぶつければいいですか???毎回毎回ボロ泣きでヒーヒー言ってたんですけど????

国夫も忘れているとはいえ大体の経緯は聞いていただろう、当然受け入れてもらえるとは思ってなかったはず。実際もそうだった。そして隠していた秘密もバレた。父親が子供である自分達のことを忘れているショックはそう軽いものじゃないはずなのに、その上での「ここにいろ」。。。もういいよってならないことが本当にすごいと思うんだよな。。しかももうこれから思い出すことは難しいって言われてるみたいだし、すごく絶望的な状況なわけですよ。

 

そしてこの場面で凌は国夫以外誰にも言ってなかった夢について話す。その夢は映画監督になること。その夢を、自分の父親を撮ることで叶えると。凌は徐に8mmビデオのカメラを取り出し、嫌がる国夫にレンズを向ける。ここから家族について約6分間ノンストップで喋り出す。パッと6分も家族について話すことある?私は少なくともないです…別に家族関係特別悪いとかではないけどせいぜい1,2分くらいしかないんじゃないかな…凌が話したのは名前・年齢に続いてひとりひとりの性格や特徴、その人と自分のエピソードなど。これがまーーびっくりするくらいスラスラ出てくる。ちゃんと家族のこと好きじゃないとこんなにたくさん話すことないよ。口調は少し乱暴で声もところどころ荒らげているけど、すごくすごく凌の中の家族への愛を感じる6分間だった。そんでもって北山くん本当にすごい( ´•̥ω•̥` )稽古始まるのすごく遅かったしツアーも並行してたし、私が今仕事して帰ってきた時の1000万倍くらい疲れてただろうに本当に本当にすごい( ´•̥ω•̥` )私も10回目くらいから徐々に脳が覚えるというか、勝手に次の台詞が出てくるようになったけど細かいニュアンスは今でも自信ないよ。。特にこのラスト10分は北山くんの仕事への熱量に圧倒された。

一番つらいはずの瑛子が頑張る姿はすごいし、冴も准も口うるさいし当たりは強いけど自分は2人にすごく感謝してるし、自分はこの歳でまだプー太郎してるし…と話す凌。そして台詞の終盤に登場するこれよ。

「健忘症になった父は全く覚えていないと思いますが!あのキャッチボールが!父との!!一番の思い出です!!!」

だーーーーー😭😭😭😭😭😭😭😭

やはりそうだったのね…あのキャッチボールが忘れられずすぐにでも家を離れようとしましたがそれも出来ずってもうつらすぎやろがい。。なんでこんな凌ちゃん可哀想なの?😭😭母ちゃんが凌のこと可哀想だって思うのやめろって言ってたけど思わざるを得ないでしょこんなの😭😭😭自分のしたいこともロクに出来ず狭い世界で育ってきたんだろうなと思うとどうしても可哀想だと思っちゃうよね…だから姉2人が簡単に家を出たのが許せなかったんだろうな…自分はもっと小さい頃からそう思ってたけど母さんのこと思ったら無理だったのにって…それなのにみんなのこと嫌いじゃないってなに??凌ちゃん善意のかたまりすぎない???

そんでながーーーい台詞の一番最後に凌が国夫に全部思い出して自分のしたことを悔いて心の底から詫びてくれって話をするんだけど、もう胸が痛すぎる…自分が家を出れなかったのは瑛子と他人のことを考えられなかった姉2人のせい、そもそも家を出たいなんて思うことになったのは国夫が家族を捨てたせい、と、ずっと誰かのせいにしてきた凌が初めて誰のせいにもせず諦めずに正面から向き合えたのがおそらくこの場面なんじゃないでしょうか…いや私の拙い考察だからわかんないけど…でもきっとそうなんだと思う。だから初めて話が前向きな方向に向かったんじゃないかなって。

 

2時間の物語のラストを飾るのは凌と国夫がお酒を飲んでいるシーン。24年前の、弟ができるかもと喜んでいる時の映像を見せる凌。もうあんちゃんじゃないんだからあんちゃんって呼ぶのやめない?と言うと、今更名前で呼ぶのはちょっと恥ずかしい、と国夫が言う。そして映像の中であんちゃんと呼ばれ本当に本当に嬉しそうな凌を見て、こんな話をして物語は幕を閉じるのだ。

「もう少し、あんちゃんって呼んでてもいいか?」

「…わかったよ。」

ここでようやくタイトル回収ですよ。記憶をなくしているはずの国夫が凌に再会した時自然と「あんちゃん」って呼んだのは昔そう呼んでいたような気がしたから。それ以外、瑛子のお腹の中にもう1人子供がいたこともあのキャッチボールのことも何もかも忘れていた国夫が唯一なんとなく覚えていたのが「あんちゃん」という呼び名。この呼び名だけが昔畑中家に確かに存在していた理想の家族像を繋ぐものであり、全て忘れられていたと思っていた凌にとってはすごく大事にしたいものだろう。だから一度はあんちゃんって呼ぶのやめない?と言ったが最終的には了承するんだろう。この「…わかったよ。」の言い方もなんというか愛に溢れてるんだよなぁ〜😭😭しょーがねーなみたいな感じなんだけど嬉しいの滲み出ててさ〜かわいくって仕方ないしいつも仏頂面ばかりだった凌ちゃんがそんな顔してるの見たらおばちゃん泣けちゃうよ〜〜😭😭😭でも父ちゃんが出て行かなかったら凌ちゃんは本物のあんちゃんになれてたんじゃないかなと思うとやっぱり父ちゃん好きになれねえ〜〜〜😭😭😭(笑)

 

この後の畑中家がどうなったのかは想像する他ないんだけど、まず国夫の記憶が完全に戻ることはないんだろうな。それでもまた1から新しい家族の記憶として思い出を積み上げていくんじゃないかな。そりゃ昔のこと思い出せたら一番良いんだろうけど、今の畑中家ならここからスタートしてもそれなりにやっていけるでしょう。冴、准と国夫の関係も凌ほどではないけどまあまあ良くなるんじゃないかな。とりあえず2人も大人だし話も聞かずに毛嫌いするのはやめるだろうよ。

そんでもって国夫が完全に記憶を取り戻すことはない=凌ちゃんの映画も完成しないってことだから、凌ちゃんは映画監督になる夢をここらでやっと諦めて就活頑張るんじゃないかな。いつまでも夢を追っかけてるわけにはいかないし、先の見えない仕事より安定した職を選ぶほうが良いのは生きていく上で当然のことだし。でも趣味でカメラは回し続けてほしいなー。もしかしたらずっっっと先の未来で国夫が思い出すこともあるかもしれないしね。でも凌ちゃんには本当に本当に幸せになってほしいのでちゃんと安定した生活を手に入れて良い奥さんつかまえて2人くらい子供授かって、ごくごく普通のありふれた幸せを掴み取ってほしいなと。そうしたら下の子が生まれた時に上の子に「あんちゃん」って呼び名つけるのかな。いつもじゃなくてたまに呼ぶくらいの。「○○も今日からあんちゃんだな!」「あんちゃん?たまにおじいちゃんがお父さんのことそうやって呼ぶよね、あれどういう意味なの?」「お兄ちゃんって意味だよ。なんかかっこよくない?」「そっか…僕今日からあんちゃんなのか!お父さんと一緒だね」みたいな。ウッワ自分で言うのもなんだけど超見てえ。。。

 

恐ろしいことにここまで約1ヶ月間、計1万字以上ダラダラ書いてたわけだけど、多分まだまだ話したいこといっぱいある。ふとした時にあの時のあのシーンって…って思い出して新しく考えることが増える。家族のあり方についてすごく考えさせられた舞台だったし、他にもいろんなこと考えさせられた。少し人生見直そうって気持ちにもなりました。最初にも書いたけどほんと普通に生きてたら畑中家のことなんて知る由もなかったのに、こうやってたくさんの人がその人なりの解釈をして楽しめる北山くんのお仕事は想像以上にすごいものなんだなと思いました。この話をどう捉えるかは人それぞれだと思うから私の考えを誰かに押し付けたりするわけでは決してないけど、私が思ったことこの話から得たことは以上です。

 

凌ちゃんをはじめ畑中家の皆さん、芹沢先生、監督にスタッフの皆さん、そして北山担のみんな!!1ヶ月間本当にお疲れ様でした!!!この舞台がある時代に生きている私よくやった!!

 

PS:永遠の疑問なんだけどフライヤーの凌ちゃんのこの台詞なに?www他の人大体同じようなこと劇中で言ってるけど凌ちゃんまったく真逆だよね…

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あ、あと帰りは電車の中でいつもミスチルのand I love youを聴いてました。なんでかすごく聴きたくなるんだよね。よかったら聴いてみてくださいまし。

おわり。